vol.5
美しい女性が好きだ。
街行く人を眺めていても
ふと、
視線が引き寄せられるのは
昔から
美しい男性ではなく、女性。
振り返れば、
私の人生にはいつだって
私自身をいい人間、いい人生に
確かに導いてくれた
「ミューズ」の存在がある。
この連載では、
そんな、実在する
私の人生において不可欠な
「women」を
愛と感謝を込めて
ご紹介していきたいと思う。
・・・
5話目の女性。
タレントの衛藤美彩さん。
彼女は、何を隠そう
私にとって
「恋愛の師匠」である。
美彩さんは、ピンクが似合う。
品があって、華やか。
愛に溢れ、
花のように柔らかく美しいのに、
内に秘めたものは
とてもキリッ、としている。
初めて会った時から
不思議と
心が落ち着く人だった。
美彩さんの弟さんが
私が大好きな箱根駅伝にて
國學院大學の主将を
務めていると知った時は
「この出会いは絶対に運命だー!」
と、大興奮したことを覚えている。
私が1月2日生まれの
箱根駅伝の往路日、
そして
美彩さんが1月4日生まれの
「ニュースで朝から晩まで
箱根駅伝の話題で持ちきりの日」
ということを
後々、運命の根拠として
熱弁した記憶がある。
今思うと、恥ずかしい。
・・・
編集者という仕事柄
「言葉のチカラ」
というものを感じたことは
幾度となくあるのだけれど
「小寺さんが
これまでの人生で
大切な人からいただいた言葉で
最も心に残っているものはなんですか?」
と聞かれたときは、
美彩さんが
私に優しく語りかけてくれた
この言葉だと答えるようにしている。
「小寺さんは、
こうして結果を出せているのだから
仕事の仕方は正しいのだと思います。
けれど恋愛において
こんなに素敵な人なのに
これほど哀しい想いを
してしまっているということは、
恋愛の仕方が間違っているのだと思います」
それは、
私が突然の別れを受け入れられずに
苦しんでいたときだった。
「大丈夫です。
方法を知らないだけだから、
勉強したらいいんだもの!
大丈夫。
小寺さんの運命の人は
もうすでに
両手を広げて待ってくれています。
あとは、
その手を小寺さんが掴むだけだよ」
仕事の“仕方”と恋愛の“仕方”…?
恋愛の“勉強”…?
人生で初めて聞く言葉たち。
「目から鱗」というのは、
こういうときに使うのだと思った。
そして
とにかく前に進めるならばと
美彩さんからのアドバイスを
忠実に実行しながら
パートナーシップの在り方
そして
女性の人生における
パートナーシップの重要性
について学びを重ねた私は、
39歳となり
「結婚したい」と、
素直に思うようになっていた。
そして
彼女から叱咤激励されたあの日の
約1年後に
夫と出会い、結婚することになる。
思えば、
私たちの出会って10日の電撃婚に
唯一驚かなかったのが、美彩さんだ。
ただ、
「ね、この人だ、ってわかったでしょ?」
と、嬉しそうに笑ってくれた。
美彩さんは
愛する人たちも
そして自分自身も
健やかで在り続けるために
常に“学び”を更新し続けている人で、
私は彼女のそんな
真摯さを心から尊敬している。
旦那さまとの関係性も
子供たちとの関わり方も
本当に素敵だ。
人生において
また壁にぶつかったとしても
「必ず方法はあるんだ」
「わからないのなら勉強すればいいんだ」
と思えるようになったのは、
私が唯一自分には向いていないのだと
放り投げていた恋愛を
克服したからなのだと思う。
決して大袈裟ではなく
私の人生を変えてくれた、大師匠。
姉のような、妹のような人。
美彩さん、
これからも
末永くよろしくお願いします♡
_
text :
小寺智子
1983年生まれ、北海道出身。編集者。O型。
INSTAGRAM:@tomoko_kodera