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Woman vol.8
2024.05.31

vol.8

美しい女性が好きだ。

街行く人を眺めていても
ふと、
視線が引き寄せられるのは
昔から
美しい男性ではなく、女性。

振り返れば、
私の人生にはいつだって
私自身をいい人間、いい人生に
確かに導いてくれた
「ミューズ」の存在がある。

この連載では、
そんな、実在する
私の人生において不可欠な
「women」を
愛と感謝を込めて
ご紹介していきたいと思う。

・・・

8話目の女性は、
モデル・タレントのアン ミカさん。

アンさんは
人として、
女性として、
キャリアウーマンとして、
そして妻として、
全てにおいて
私が心から憧れてやまない存在である。

アンさんと初めて出会った2016年、夏。

当時の私は、正直、
編集者としての自分に限界を感じ、
心も身体も極限まですり減らし、
ただただクタクタだった。

「もう、著者のために
私の命を1mmだって削りたくない」

そんな
強い憤りと背中合わせの被害者意識に
取り憑かれてしまうほどに、
しばらく真っ暗な闇の中にいて、
すでに編集者を辞めることを
決断した後だった。

そんな中、
信頼する方が繋いでくれた
アンさんとのご縁。

忘れもしないあの日、
私はアンさんに巡り逢い、人生を救われた。
大袈裟ではなく、これは事実だ。

きっと
アンさんから見たあの日の私は、
信じるものを見失い、
あまりにも疲弊していて、
決して美しいとは言えない
澱んだオーラを纏っていただろうと思う。

そんな中アンさんは、
遠くから歩いてくるだけで
キラキラと輝いていて、眩しかった。
とんでもなく、美しかった。

そして
太陽のようなあの満面の笑顔で
私の目をしっかりと見て、
「はじめまして♡
アン ミカです。
お会いできて嬉しいー!」
と、抱き締めてくださった。

雷に打たれたような衝撃とはこのことで、
その時の感動と言ったら、
今でも言葉ではうまく表せない。

温かなブランケットで包まれて、
全てを赦されたような、安心感。

思い出す度に、
あの瞬間の感情が溢れ返り、
私は涙を堪えるのに必死になる。

なぜならあの日が
私の編集者人生「第2章」の始まりだったから。

・・・

1時間が
あれほどあっという間だったことは、
後にも先にもあの日以来、ない。

そのくらい私は、
「アン ミカ」という女性に、引き込まれた。
彼女の一言一句を聞き逃すまいと夢中になった。

心が、どんどん前を向いていく。

アンさんと話しているだけで、
自然と手を叩いて笑っている私がいた。

「生きていてよかった」

本気でそう思えた時間。

そしてアンさんと別れる頃には
「絶対にアンさんと本が作りたい」
「アンさんの言葉でたくさんの人を救いたい」
と、はっきりと悟っていた。
もはやこれは、自分の使命だとさえ思った。

そうして、
私の編集者引退宣言は撤回されたのだ。

以来、
アンさんとは多くの書籍を
一緒に制作させていただいた。

アンさんの在り方を見て、
私は、
強く、逞しく、そして柔らかく、
生きることができるようになった。

仕事においても
他の著者とのご縁もいくつもいただき、
私の編集者人生「第3章」のきっかけを
与えてくださったのも、アンさんだ。

人生における出会いと別れ。
それらの全てが学びと糧となり、
今の私に繋がっている。

年齢を重ねれば重ねるほど
そのひとつの真理に想いを馳せるけれど、

アンさんに出会えていなければ、
人間としての小寺智子。
女性としての小寺智子。
編集者としての小寺智子。
妻としての小寺智子。
間違いなく、
その全ての今の私が、いなかった。

アン ミカさん。

私の恩人であり、メンターであり、人生の目標。

_
text :
小寺智子
1983年生まれ、北海道出身。編集者。O型。
INSTAGRAM:@tomoko_kodera

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