vol.11
美しい女性が好きだ。
街行く人を眺めていても
ふと、
視線が引き寄せられるのは
昔から
美しい男性ではなく、女性。
振り返れば、
私の人生にはいつだって
私自身をいい人間、いい人生に
確かに導いてくれた
「ミューズ」の存在がある。
この連載では、
そんな、実在する
私の人生において不可欠な
「women」を
愛と感謝を込めて
ご紹介していきたいと思う。
・・・
11話目の女性は、
archi(アーキ)のjun_tokkieさん。
私の38歳以降、
思いがけない変化を遂げた人生を語る上で、
彼女の存在は、誰よりも欠かせない。
紛れもなく、
私の人生を変えてくれた人。
いわゆるメンターとも言えるのだと思う。
彼女の“職業”を説明するのは難しい。
彼女との出会いはとても印象的で、
2019年の夏、私が担当した著者の
発売記念ヨガイベントに
元々著者の友人であった彼女が参加し、
イベント終わりに声をかけてくれたことが
きっかけだった。
「編集担当の小寺さんですよね?
私、小寺さんが編集した本、
いくつか持っているんです〜
そしたら今回、友人の本の編集を
担当してくれると聞いて嬉しくて!」
と、人懐っこく、可愛い笑顔で。
そこで
Instagramを交換し、
DMでちょこちょこやりとりはしつつも
会う時間を作って話すような間柄ではなく、
けれど、彼女の発信するものには
しっかり目を通していた。
正直、内容には全然ピンとはきて
いなかったのだけれど...。
そして2021年8月。
今思い返しても、
どうしてあの日の私が、
一度会ったことがあるだけのtokkieさんに
「会わなくちゃ」と思ったのかは、わからない。
けれど勝手に指が動いて、
私は彼女に
こうメッセージを送っていたのだ。
「tokkieさん、私ね、今あなたの
エネルギーが必要みたい。
近々会えないかしら?」
そこからの数ヶ月間は、
いわゆる
“セッション”を受けながら
人生で初めて自分自身と
本当の意味での深い“対話”をして、
それまでの38年間の人生の棚卸しをした。
私がいかに、
あらゆるものを繊細に感じているようで、
とんでもなく鈍感に生きてきたかを
思い知らされ、動揺した。
けれどそのおかげで
それまでに
自分の身に起きた出来事の
本質的な原因を知れたことは大きい。
そして、
「私は、この人生で何をすべきなのか」
という、永い間ずっと答えを求めていた
ひとつの問いに対して
結論を出すことができた。
自分自身と生まれて初めて
見つめ合う時間は
本当に、本当に苦しかったけれど
ようやく目的地に辿り着いた時は、
まるで
生まれ変わったような気分だった。
「Editorial...」という
私の新しい居場所を作ろうと思えたのも、
tokkieさんと出会い、
その言葉に気づきを得て、
自分自身の役割に確信を得たからでもある。
・・・
誰にでも、
人生を根底から覆されるような
偉大な存在との出会いがあると思う。
私にとっては、彼女がそう。
唯一無二の人だ。
_
text :
小寺智子
1983年生まれ、北海道出身。編集者。O型。
INSTAGRAM:@tomoko_kodera