人がもつ繊細な心の動きを、美しく表現できる旬の俳優といえば？ この問いの答えとして、一番に上がっている名前が高杉真宙さんだろう。 ドラマや映画に舞台、はてはバラエティーまで活躍の幅を広げ続ける彼が抱く、 作品への想いやジュエリー選びに迫るインタビューの前編をお届け！
物語の裏にある、人々の願いへ想いを馳せて
―――いわゆる「月9」ドラマである、『PICU 小児集中治療室』（以下『PICU』）にご出演されていますね。小児医療という繊細なテーマを扱っている作品ですが、どんなところに魅力を感じていますか？
「当たり前ですが、子供って自分の言葉で自分の感情を伝えたり状況を伝えることが、大人ほど長けてないんですよね。そういうなかで、しこちゃん先生（吉沢亮さん演じる主役の志子田武四郎）の優しさや、人の心を汲み取ることができるという魅力はかけがえのないものだと思っています。単なる成長記でもない、奮闘記という言葉がしっくりくるかもしれない。ドラマでは、広大な北海道だからこそ直面する、子供への医療の難しさと現場の人々の葛藤も描かれているので」
―――主人公の成長物語でもありつつ、PICUという子供への集中医療を広めるというチャレンジの物語でもある、と。
「そうですね。主人公はお医者さんですが、お医者さんとしてはまだ未熟なキャラクターだからこそ「ちゃんと救えてよかった、めでたしめでたし」と予定調和で終わらないのもいいなと感じていて。PICUが連続ドラマで初めてテーマになるということもあり、様々な方がPICUを広めたいという想いで関わってくださっているので、そういう想いを僕もしっかり大切にしていきたいと思っています。こういう問題があって、こんな風に自分たちにもできることがあるっていうメッセージを伝えてくれるドラマなんじゃないかな」
―――実際にPICUの設立に尽力された方も多くいらっしゃいますよね。その方達に想いを馳せることはありますか？
「もちろんあります。その方々の存在を踏まえ、自分達が「何を目的にして、なぜ作るのか」ということでしょうか。元々作品に関わるうえで結構重要な部分ではあったのですが、最近は特にそういう気持ちが強くなってきました。もともとは「基本はエンターテイメントだから、楽しんでもらえればいいじゃん」っていう考え方だったんですけど（笑）。 ただ役作りをやっていくなかで自分のなかで細かく決めてたことが、お客さんに伝わるんだなと感じてから変わっていきました。伝えるってやっぱり面白いし、素敵なことなんだな、と。楽しいだけじゃなくて、ちゃんと伝えることを目標としてやっても面白いなと思えたんです。だからこそこういうタイミングで、『PICU』という作品に出会えて嬉しいですね」
役との相違点にみる、素顔の高杉さんを発見！
―――『PICU』で高杉さんが演じている矢野悠太医師は、主人公が心を許せる幼馴染で、同じく医師という重要な役。揺らぐ悠太の心情を、ハラハラしながら皆さん見守っていると思うのですが……。悠太とご自身との共通点を感じますか？
「悠太は頑張り屋で、努力家なのは間違いない。本当に典型的な「背負いこみすぎ」タイプですよね。向上心もしっかりあるけれど、同時にもっとやらなきゃと焦る気持ちもある。きっと悠太みたいな方は多くいらっしゃるのでは、と思います。頭がいいぶん、色々なことを考えられるので背負うものが増えていってしまう。僕自身はあんなに思いつめることがなく……。むしろポジティブが欠点というくらい、ポジティブですね！ 元々持っていたのかもしれないけれど、この仕事始めてから気づいたらすごくポジティブになっちゃいました（笑）」
―――でもお仕事を始めてからということは、きっと気づかないうちに傷つきながら適応して、強くなっていったのかもしれないですね！
「そういうことにしておきましょうか（笑）。もし「やってられない」みたいに投げ出したいと思うこともあれば、少しは可愛げがあったのかもしれないですが……そんなことは一切なくてすいません。ただ僕も悠太と同じように、周りにきちんと助けを求めるタイプではないかも。でもやっぱり僕の場合は、助けを求める状況になるほど悩んでいない気もします……（一同笑）」
―――もうすぐクリスマスやお正月など、楽しいイベントが多い季節がやってきます。もしお休みが取れるとしたら、理想の過ごし方はありますか？
「僕、とってもインドアでして。家自体がすごく素敵で居心地がいいとかいうわけではないのですが、家から出なくてもいいなら出たくないんです。リフレッシュも、圧倒的に外に出ないこと（笑）。お休みがあっても黙々と漫画を読んでゲームをしているくらい。でもせっかくのホリディで出かけるとしたら、クリスマスの街の雰囲気を味わうのもいいかもしれませんね。ちょっと一周して、「なるほど、今年はこういう感じなんだな」と確かめて帰る、という感じでしょうか。自分がそこへ積極的に行ってうわーっと盛り上がることはないですが、車から華やかな風景を見るだけでも、やっぱり楽しい気持ちにはなりますよね」
特別なものだからこそ、長く愛せる一品を
―――「普段はあまりジュエリーをつけない」とお話しされていたのが意外なくらい、今日着けているイヤカフもすごくお似合いです。ジュエリーには、どんな印象を抱いていますか？
ジュエリーって、やっぱり特別感がありますよね。興味はすごくあるのですが、華やかさがあるので僕のいつもの服装には合わないのではと思ったり……。でも普段からかっこよくつけている方は、男性も女性も尊敬します（笑）。 ただ、今デザイナーさんの「ジュエリーの背景にストーリーを描いてデザインをしている」というお話を聞いて、そういう視点も素敵だなと思いました。さきほど作品の背景に想いを馳せて「なぜ作るのか」を考えるようになったと言いましたが、ものに込められた想いや物語はすごく気になるし、知ることは大好きなんです。僕自身、役を考えるときに「このキャラクターだったらこういう色だろう」と考えることが多いので、デザイナーさんたちが想像力を膨らませて作られていることもすごくイメージできる。長く付き合っていくことが多いジュエリーだからこそ、いつか僕自身で購入するときが来たら、そういう想いが込められたものを選べたらいいなと思いますね」
「僕は普段ジュエリーを着けないのですが、撮影で着けたイヤカフは新鮮でした！ ピアスの穴が開いているか気にしなくてもいいので、プレゼントにもよさそう。最近は同じジュエリーをシェアするカップルも増えているんですか？ 全然知らなかったけれど（笑）、そういうのも素敵ですね。「今日は僕が使おうと思ってたのに……」なんてなりそうですけど、それも含めて楽しいんだろうな」
今回高杉さんが身に着けたイヤカフとリングは、ユニセックスで使えるアイテム。ピアスホールがなくても気軽にトライできるイヤカフは、着こなしの幅を広げてくれるのでアクセントとして日常に取り入れたい。またチェーンモチーフをハードすぎずに上品に仕上げたぺアリングの対となるのは、イエローゴールドの1本。ギフトに選んで、絆をより強く結んで。
「まずは、普段でも使ってもらえるようなジュエリーがいいですね。ゴールド系の、さり気なく着けられるようなものだったら、頻繁に着けてくれるでしょうか。季節的に華やかなものも素敵だと思うのですが、やっぱりプレゼントするならたくさん使ってもらいたいので。「大切にしまってある」と言われるよりも、「使っていて失くしちゃった」と言われるほうが嬉しいです（笑）」
歴史ある邸宅の様式美からインスパイアされたのは、イエローゴールドが肌の上で輝くピアスとネックレス。グラフィカルなデザインが、普段の装いにさり気なく華をプラスして。ネックレスは自由にY字の長さを調節でき、洋服のネックラインに合わせて楽しめるのもポイント。また永遠に色褪せない輝きを誇る”プラチナ・ウーマン コレクション”からは、燦燦と輝く太陽をモチーフにしたネックレスを指名したい。
後編となるVol.02は、12月1日に公開予定！
高杉真宙さん／俳優
1996年7月4日生まれ。福岡県出身。中学生だった2009年に俳優デビューを果たすと、特撮ドラマ『仮面ライダー鎧武/ガイム』（2013年）など話題作に多く出演。確かな演技力で国内外の映画祭での受賞歴を誇る。2022年には『ぐるぐるナインティナイン』内のコーナー「グルメチキンレース・ゴチになります!23」で新メンバーに選ばれ、バラエティ番組初レギュラー出演。また現在放映中の『PICU 小児集中治療室』（フジテレビ）では、主人公の幼馴染で同じく医師という矢野悠太役を演じ、今後のストーリー展開に注目が集まっている。
【衣装協力】
オレンジコートのカット
ニット¥49,500、首に巻いたカーディガン¥49,500(UNDECORATED)／03-3794-4037
パンツ¥34,100(yoshiokubo)／03-3794-4037
STAFF
model: MAHIRO TAKASUGI
photo: TAKESHI TAKAGI at SIGNO
Jewelry photo: HIDETAKE NISHIHARA
styling: DAISUKE ARAKI
hair & makeup: SAYAKA TSUTSUMI
direction & text: MAKIKO OJI
